【レビュー】Hi-ZOOMの前モデルEX-V8と比較:CASIO EXILIM Hi-ZOOM EX-H10
みんぽすさんより、10倍ズームで1000枚撮影可能な最新デジカメ「CASIO EXILIM Hi-ZOOM EX-H10」をお借りしています。前回の「長寿命バッテリーの大先輩EX-Z40と比較」に続いては、Hi-ZOOMシリーズの前モデルEX-V8と比較していきたいと思います。
このレビューは「みんぽす」の無償商品貸出しを利用して書かれています。(詳細は末尾で)
まず、EX-V8というモデルですが、Hi-ZOOMシリーズとしては二代目でEX-V7の後継機になります。それまでのEXILIMでは沈胴式タイプで3倍ズーム程度のデジカメしかありませんでしたが、EX-Vシリーズでは初めて屈曲系を採用しています。屈曲系を採用することで、サイズをほとんど従来の3倍ズーム搭載のコンデジと変化することなく高倍率ズーム(38~266ミリの7倍)搭載を実現しました。
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それではいよいよEX-H10とEX-V8の比較をしていきたいと思います。
まずは、正面と背面からの比較。下にあるのはそれぞれの充電池、NP-90とNP-50ですね。中央はSDカードなんでサイズの基準にどうぞ。
本体サイズEX-V8は高倍率ズームとはいえ、コンパクトなんでEX-H10が一回り大きいです。高さもEX-V8よりもわずかに高くなっています。
液晶も一回り大きく。EX-H10が3.0インチ23万画素、EX-V8は2.5インチ23万画素と画素数は変わらないもののサイズが大きくなっています。液晶が小さい分EX-V8の操作系には余裕が見られますね。
もった印象的にはEX-H10はやはり重いですね。本体のみの重量は164gに対し、EX-V8は149gと軽く充電地も小さく、横幅も短いので持ちやすく軽く感じるのだと思います。
操作系に関しては、EX-V8はモードダイヤルを備えているのが最大の特徴で、マニュアルでの操作がやりやすくなっています。EX-H10のような動画専用ボタンはなく、モードダイヤルで動画モードを選びシャッターで撮影開始となります。EX-H10では動画撮影中にシャッターで静止画が撮影できます。
上面から、電源を入れて縦横と並べてみました。当然ながらEX-V8は屈曲系でレンズが飛び出さないので上からみたらぜんぜん変わりません。分厚さに関してもEX-V8が薄く、横幅に関しても短く8倍ズームを搭載しつつもコンパクトなEX-V8の凄さが分かります。
ズーム倍率ではEX-H10が10倍、EX-V8が7倍とEX-H10の方が拡大できるような気がしますが、EX-H10は広角24mmから240mmまでの10倍でEX-V8が38mmから266mmと望遠側はEX-V8の方が強いんです。
EX-H10では10倍ズーム時にはかなりの威圧感を放つのに対して、EX-V8はまったく表情を変えませんので、撮影者に無理に構えられることがないんですよね。特に女性はアップで撮られることに抵抗があるのでズームしてるなと分かるととたんに表情が硬くなっちゃいます。もちろん、赤ちゃんでも同じで、ズームにびびって顔がこわばる子多いです(汗)
次に実際に三脚に固定してほぼ同じ位置から撮影してみたので、広角側と望遠側の違いを見てみてください。
三脚はSLIKのU7700を使用しています。EX-H10もEX-V8もレンズ中心下にねじ穴があります。EX-V8の場合は右端に穴よりすぎて不安定になるのが難点です。
最大広角時です。
EX-H10において42型AQUOSの全体が入る位置に三脚を固定してあります。EX-V8ではぜんぜん周囲を撮影できてないのがよく分かります。EX-V8の広角38mmというのはEX-H10で1.6倍ほどズームした位置に相当します。
最大望遠時です。
さすがに望遠側では若干EX-V8の方がよれているかな?という程度でそれほど大きな差にはなりませんね。EX-V8の望遠266mmというのはEX-H10でいうと11倍ズームに相当します。
ズーム時の動作音に関しても、EX-H10は巨大なレンズをすばやく動かすからか音は大きいです。EX-V8はレンズ機構が完全に本体内に収まっているのでほとんど動作音はしません。
これは動画撮影時にも影響していてEX-H10は動画撮影時に音が入るからか光学ズームが使用できなくなります(デジタルズームは可能)。EX-V8はもちろん可能です。せっかくの10倍ズームも動画撮影時には使えないのは残念ですよね。
光学12倍ズームを搭載しているライバルのLUMIX DMC-TZ7は動画撮影時も光学ズームできますし、こういう部分は改善してほしい部分です。
また、MARUTOに指摘されて気づいたのですが、EX-H10はズーム速度が1段階しか無いようで、ピタッとズームを止めたい位置に持ってくるのが難しくなっています。EX-V8はズームレバーの動かし量によって速度が2段階に切り替わるので位置調整はEX-V8の方がやりやすいです。高倍率ズームともなるとズームの調整も微妙になってきますので速度調整はほしかったところです。
※追記(2009年8月16日)
マニュアルには特に記載はなかったのですが、後でじっくりとEX-H10のズームレバーを操作して確認しなおしたところ、EX-V8同様にレバーを全部動かすと速く、レバーを半分ぐらい動かすとゆっくりとズームが動くことを確認しました。ただ、ズーム位置を合わせるのはMARUTOが指摘したとおりやはり難しいです。これはEX-H10はズームが段階的に変化するのですがその一段が大きい為だと思います。EX-V8はそんなに気にはならなかったのでEX-H10は一段が大きいのかもしれません。もう少し滑らかにズームコントロールができればなと思いました。
バッテリーとSDカードの収納されている蓋を開けたところです。EX-H10が底、EX-V8が横と開く場所が違います。どちらがよいかと言われるとEX-V8の方がよいかなと思います。というのもこの位置は三脚穴と干渉しない位置にあり、三脚に取り付けていても、バッテリーやSDカードの交換が容易だからです。
充電池の容量的には、NP-90が1950mAh、NP-50が950mAhと約2倍の容量となってます。
CIPA基準での撮影枚数をみるとEX-H10が1000枚、EX-V8が240枚と4倍以上の撮影枚数になっているのには驚かされます。
もっとも、EX-V8の240枚というのは決して少ない枚数ではなく、今でも240枚程度のデジカメは多く販売されています。
EX-H10もハイビジョン動画撮影対応ですし、手ぶれ補正もあります。そうなるとバッテリーはただ写真を撮る以上に消費しますから、大容量バッテリーの恩恵はかなりあると思います。実際EX-V8では一本のバッテリーでは1日の使用が心もとなく予備バッテリーを購入したぐらいですからね。
液晶の表示比較です。一番多い表示モードにしてあります。液晶の大きさが違うだけで解像度は同じですね。
どちらも、設定されている内容を右側に固めてありますが、EX-H10は同じサイズのアイコンで、EX-V8はいろんなサイズのアイコンになっています。EX-H10の場合は設定変更時にがばっと設定できるメニューがそのアイコンの横にでてきます。表示されるアイコンは8つまで自由にカスタマイズできますので、よく使う設定メニューを登録しておくとよいかと思います。これは便利ですよね。EX-V8の場合はMENU画面から階層をたどって設定していきます。
EX-H10で不便だなと思うのがフラッシュの設定で、EX-V8、EX-Z40では方向キーの下を押すだけで、AUTOやON/OFF、赤目防止などを簡単に選べるのですが、EX-H10では下を押してから、指を動かして左右に動かさねばならず使いづらいです。これは同じボタンで操作できてほしかったところです。
また、方向キーの左右ボタンによく使う機能を割り当てられます。EX-Z40の時はBSボタンがなかったのでBS切り替えにしていましたが、EX-V8ではEVレベル補正を割り当てています。ちょっとした明るさ調整がしやすいためです。EX-H10でもEVレベル補正に割り当てました。以前お借りした高速連写のEX-FC100ではEV補正が左右キーに割り当てられず不便だったのでこの点は、元に戻っていて安心しました。
ベストショットを表示しています。EX-H10のベストショットの数は38種類とEX-V8の45種類より減っています。
オートとオートBSを除くと実質的に選択可能なベストショットは36種類ですね。
具体的に何が違っているのか下記の一覧で比較してみたところ、EX-V8では静止画用と動画用で分かれていたベストショットがEX-H10では静止画と動画で兼用(一部専用のものもあります)されるように変更されています。
新たにダイナミックフォト、自分撮り(1人)、自分撮り(2人)、マルチモーションが追加されていますし、実質的にはEX-H10の方がベストショットの種類が大幅に増えていることになりますね。ただ唯一残念なのは動画のベストショットのパストムービーがなくなっていることです。撮影ボタンより前の動画を記録できるモードで、これがあればシャッターチャンスを狙いやすいだけになくなったのは残念ですね。
EX-H10ベストショット一覧
EX-V8ベストショット一覧
さらにベストショットでEX-V8と違っているのがベストショットを選んだあとの設定変更範囲です。EX-V8ではベストショットを選んだ後にほとんどのパラメータをいじることができましたが、EX-H10ではベストショットを選んだ後に変更できる設定内容がかなり制限されています。
おそらくベストショットで選んだ内容の効果を維持するために設定範囲を限定したとは思うのですが、使い慣れてくるとベストショットで選んだ内容とは別の目的に使ったりすることもあるので設定範囲は狭めてほしくなかったですね。
そして、自分で設定内容をカスタマイズして保存できるマイベストショットモードもありますが、EX-V8では手ぶれモードやフラッシュモードが保存されていましたが、EX-H10ではどちらも保存されていないようです。
※注意
説明書にはフラッシュ状態が保存されると書いてあるので私の操作ミスの可能性があります。
現在みんぽすを通じてカシオに問い合わせしておりますので回答が来ましたら追記させていただきます。
※追記(2009年8月18日)
この件ですが、カシオ様より回答がありました。フラッシュも手ブレモードもマイベストショットに保存されるそうです。登録方法としては、一旦カスタマイズした設定で撮影したあとにマイベストショットにその画像で登録すればよいようです。すでにEX-H10はみんぽすに返却してしまっていますので確認できないのが残念ですが、どうやら私は一度もその設定で撮影せずにマイベストショットに登録しようとしたようです。お騒がせしました。ただ、間違いないのは、この保存手順と手ブレモードが保存されるかどうかはマニュアルに記述にないということです。こういうことは、せめてQ&Aには掲載して欲しいものです。
EX-H10 - よくあるご質問(FAQ) - デジタルカメラ - CASIO
□撮影サンプル
EX-H10とEX-V8でほぼ同条件で撮影した画像です。
なお、ブログの容量の関係でVGAサイズにリサイズ、一部画像は個人情報保護のため加工してありますがそれ以外の加工はしていません。
キッザニアにて撮影しています。両方とも人物を写しますモードでフラッシュが自動発光しています。EX-H10は感度がISO400までアップしていて、EX-V8(ISO200)よりも明るく写っていますね。見た目の印象はEX-H10の方が近いです。両方とも広角側で撮影しているのですが撮影範囲の違いが明らかですね。
EX-H10、EX-V8共に広角は樽型になってしまってますが、EX-V8の方が屈曲系レンズで苦しいのかよりひどい樽型になってしまっています。最近はソフトウェアで樽型は補正できるのでそういった対応にも期待したいですね。
花火大会の前の薄暗くなっていたタイミングで広角側、手持ち撮影しています。撮影対象が遠くなるとこれだけ撮影範囲が変わってしまうんですね。部屋の中の撮影程度であれば、自分が1,2mほど下がれば広角と同じだけの効果は得られますけど、対象物が遠くなってしまうと、その距離が数十m移動しないといけなくなるんで広角のありがたさを実感します。
今度はポートタワーを撮影してみました。手持ちで最大望遠で撮影しています。EX-H10が手ぶれせずにばっちりとポートタワー上部の文字が読めるのがよくわかります。AUTOで撮影しているのですが、カメラが選んだ撮影設定を比較してみますとEX-H10はISO感度800でシャッタースピードが1/20、EX-V8はISO感度400でシャッタースピードが1/10となっています。撮影された画像をみると、感度の高いEX-H10の方がノイズが少なく見やすい画像になっていますよね。手ぶれ補正レベルも含めて、EX-V8からかなり改善された印象を受けます。
花火を撮影してみました。両方とも簡易三脚で固定し花火モードで撮影しています。ひとつしか三脚を持っていけず同じ撮影条件で撮れてないのでちゃんとした比較はできず申し訳ないです。
花火モードの場合は、ISO感度が最低(H10が64、V8が50)になり、シャッターが2秒間開きっぱなしになるので、うまく撮影できれば花が開いたように綺麗な花火が撮影できます。ただ、シャッターを押すタイミングが非常に難しく、何枚もとっても綺麗に取れてるのは1,2枚という状況です(悲)
EX-H10にはオートシャッター機能が付いてますし、顔が認識できるぐらい高性能な画像認識機能があるわけですから是非とも花火モードでは花火認識機能をつけて、一発で花火が綺麗に撮れるようにしてほしいものです。
なお、2秒間もシャッターを開けっ放しにする為、手持ち撮影ではいくら手ぶれ補正が効いていても軌跡がブレブレになってしまいますので三脚は必須です。今回、持って行った三脚は7段伸縮の携帯三脚でしたのでコレでも、ブレブレの写真が一杯でした...。
□まとめ
以上、同じHi-ZOOMシリーズであるEX-V8と比較してみましたが、画質とバッテリーライフ、に関しては間違いなくEX-H10がいいですね。高感度時のノイズも少ないですし気軽に撮影できます。
ただ、EX-V8については、サイズはもちろん、動画撮影時にズームができたり、設定が細かく指定できたりとEX-H10を上回る部分が多くあります。
EX-H10はEX-V8と同じHi-ZOOMシリーズではあるものの、ターゲットが若干違うので仕方が無いとは思うのですが、3倍ズームを使っていて高倍率ズームに買い換えたい人は、デジカメの使用歴もある程度たっていて高機能を使いこなしたいという欲求もでてくるかと思いますので、現在の使いやすさを維持しつつ、プロモードなどを用意するなどしてEX-V8並みの設定の自由度がほしかったなぁと思います。
とはいえ、一番最初にEX-H10を購入しようとされる方にはこんなことは関係ないので、気にする必要はないですね。デザインもLUMIXのTZシリーズのように不細工ではなく、スタイリッシュなEXILIMデザインですし初心者には間違いなくオススメできます。
むしろ、簡単に撮るという意味では、メイクアップボタンや、風景撮影ボタンよりもBS AUTOにダイレクトに変更できるBS AUTOボタンがほしいところです。自分が所有しているビデオカメラのHDC-SD100では「おまかせiA」ボタンが用意されていて、気軽に撮りたいときと、マニュアル設定したいときを瞬時に切り替えられて便利なんですよね。次期モデルでは、ぜひ、BS AUTOボタンをつけて欲しいなと思いました。
以上で、私の所有しているEX-Z40、EX-V8とEX-H10の比較を終了したいと思います。ありがとうございました。
つづく
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