【スバル、流体解析】EJ20 DOHC TURBO
OUTBACK 2.5iにつづきレガシィ2.0GTに搭載される、EJ20 DOHC TURBOエンジンの開発秘話がこちらの記事(ターボの進化)にアップされましたので、こちらについても流体屋としての感想を書きたいと思います。
レガシィブログ-LEGACY BLOG: ターボの進化今回の新型レガシィでは、4代目で採用したツインスクロールターボチャージャーの効率を更にアップさせるために、コンプレッサー側の圧縮空気の流れる通路形状(ハウジングという)を大きく変更しました。
形状については秘密のところがありますが、空気の流れをスムーズにするように複雑な曲線形状としています。簡単にいえば、空気の流れのロスを小さくしているということになります。
なるほど、なるほど。このあたりの形状変更もきっと流体解析が使われているのでしょうねぇ(と信じます)
というのも、こういうものの中の流れをみるのは大変なんですよ、実験で可視化しようとすると、透明なハウジングを用意しないといけませんし、普通に流してもどういう流れになっているのかさっぱりなので、細かい粉末を混ぜた液体を流して、それにレーザー光をあて、高速度高感度カメラで撮影してコンピューターにかけて画像分析して流れを可視化するという作業が必要です。
まあ、透明なハウジングが簡単に用意できればよいのですが、熱に耐えられないとか、形状が複雑で加工しづらいとか、実験には多大な苦労とコストがかかるのです。
これを、簡単に可視化できるのが、コンピュータシミュレーションになるのです。
最近は、この手の設計は3DCADを使って行われていますので形状の入力は非常に簡単です。
その内部の流路形状に入口出口を与えて流してあげれば解析完了です。
コンピューター上での解析なので、自由な断面を取ることが可能ですし、仮想的に粒子をとばして、その軌跡を追跡することで、どこでよどんでいて損失がおきているかとか、無駄な形状がないかとかが感覚的に把握できますし、もちろん数値的にも把握できます。
もちろん、数値的な精度というのは非常に重要な問題ですが、きっちりと解析条件を実際の現象にあわせていけば行くほど、現実に近づいてきます。(このあたりが流体屋の腕の見せ所ですね)
一番の問題は実験と合わないと言われること(苦笑)
ただ、この場合大抵が実験側にも問題があることが多いです。解析が実際に組みつけられた部品状態をもとに解析をしているのに、実験は実験用に考えられた条件で計測されてたりするのです。これでは、合うわけもありません。もちろん、実験と同じ条件で解析を実施すれば、結果は合ってくるんですよねぇ。実験が必ずしも正ではないということを設計者も解析者も実験担当も理解してお互いに協力してものづくりをしていかないといいものは出来ないのです。
そして、もう一つ良くあるのが内製化。ターボチャージャーとかだと良くIHI製が有名ですけれど、これを内製化(自社で作ってしまうこと)することでコストダウンを図るなんて話が良くあります。
これがねぇ、大問題だったりするのですよ。もともとの設計は専門メーカーの真似事で形状を設計するので性能的にも似たり寄ったりで設計者も「なんだ簡単ジャン!」なんて思ってしまうわけなんですけど、そのモデルはよくてもその次のモデルとかになると、周囲に新たな部品が加わったりして、形状に制約が出てきたりします。そうしたときに、専門メーカーだと、流体的にみてこれは絶対にしてはいけない形状変更というのはすぐにわかるのですが、設計者にはそれは理解できない。で損失が非常に大きい形状を設計図としてあげてきたりするわけです。
内製化することで、コストは下がるでしょうが、専門的な知識も一緒に内製化しないと思わぬ弊害を生んでしまうことに注意しなければなりません。
参考:
CD-adapco:CFD aids Pulse Turbocharging
いままで事故を起こしたことがある人も無い人も自動車保険を見直したら結構やすくなりますよ。
だまされたと思って比較してみるとよいと思います。
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